2023年4月20日木曜日

P-Amy(P型アミラーゼ)は必要か?

  アミラーゼが上昇しているとP-Amyを追加する先生がいます。私はP型アミラーゼをオーダーすることがないのですが、必要なのか調べてみました。


 急性膵炎診療ガイドライン2015(新しい版には載っていません)のP.62にP-アミラーゼの精度を調べたデータが載っています。



 このデータによれば、ただのアミラーゼとP-アミラーゼの診断の精度はあまり変わらず、P-アミラーゼを追加する意義はほとんどないことが分かります。アミラーゼは測らず、最初からP-Amyとすれば良いかもしれませんが、それでもその方が有用だというデータはありません。何しろ、急性膵炎診療ガイドライン2021のP.35には膵酵素としてリパーゼを推奨し、リパーゼが測定できない場合にアミラーゼと書かれているのですから。


 ちなみにアミラーゼは11点(通常1点は10円です)で、110円ですが、P-Amyは48点(480円)です。アミラーゼだけで済ませば110円で済むところが、両方測ると590円もかかります。


 医療費のことも考えるとP-Amyを測定する必要はあまりないです。