2021年5月26日水曜日

アニオンギャップが激しく低下(マイナス47)した症例

 アニオンギャップ(Anion gap;以下AG)は代謝性アシドーシスの鑑別、pHなどが正常な場合に代謝性アシドーシスを発見するツールになりますので、必ず計算すべきとされていますし、多くの血液ガス分析の結果に自動的に計算されていることが多いと思います。

 アニオンギャップは通常以下のように計算されます。

AG=Na−(CL+HCO3

 正常値は12程度ですが、最近はもっと低い値なのではないかと言われています。日本やアメリカではこれで良いのですが、ヨーロッパなどは以下のようにカリウムを含んでいます。

AG=(Na+K)−(CL+HCO3

 自動的に計算されるAGはこちらのことが多い(私が知るかぎり血液ガスの検査器械はドイツ製が多い)のでチェックしておく必要があります。

 何故このような値を算出する必要があるのかについては別に学んで頂ければ良いですが、この値がマイナスになることはまずありません。しかし、こちらの論文には、AGがマイナスになった症例が載っています。是非ご覧ください。

 理由としては大量のアセチルサリチル酸(アスピリンをたくさん飲んで自殺を測った患者さんです)が間違ってCLとして測定されてしまったと言うことが書かれています。AGはCLが増えれば低下しますからね。

 CLが間違って高値を示す疾患は他にもいくつかあり、Brを含んだ睡眠薬の中毒(発売が禁止された国も多いのですが、日本ではまだ売られています)や造影剤投与後などもあります。

 AGが47でもビックリするぐらい高いですが、−47だったらもっとビックリするかも知れませんね。

2021年5月14日金曜日

前額部にパルスオキシメーター

  パルスオキシメーターは指などに挟んで光が組織を通過して来た物を測定しています。その光の強さの変化によってSpO2を計算するのです。


 よって、どこかセンサーを挟むところが必要ですが、最近は反射式と言って挟まなくても貼るだけでいい物があるようです。


 特にこちらの資料の6ページ目をご覧戴くと、前額部は酸素の変化がより早く検出できるようです。



 また、こちらの論文によれば、前額部の血流は交感神経の支配が弱く、ショックや低体温時にも動脈の血流が維持されるそうです。よって、通常の部位でSpO2が測定できない時には前額部に貼るモニターを考慮しても良いでしょう。

2021年5月6日木曜日

パルスオキシメーターを使う時にマニキュアは気にしなくて良いです。

  国家試験では、マニキュアはSpO2に影響する因子として有名なのだそうです。私が医師国家試験を受けた時に、パルスオキシメーターの問題があったかどうか、全く記憶にありません(MRIは私の学年まで出題されていなかったのは覚えています)が、看護師さんの国家試験でも出題されているようです。


 しかし、特に急変時にマニキュアをしているからと言って、それを取り除かないとパルスオキシメーターをつけられないというのでは、色々困ります。それを調べた研究がいくつかあり、結論から言えば、マニキュアは気にしなくて良いと言うことです。昔の器械は気にしなければならなかったのかも知れませんが、今の器械は大丈夫です。


 以下の論文を参考にして図を作りました。と言うか、色をつけただけですが。


 どの色でも、ほとんどマニキュアなしと差はありません。よって、緊急時は特にマニキュアを塗った人でも指で測定できます。もちろんですが、別の方法が直ぐ出来る(あるいはマニキュアを直ぐ取り除ける)のであれば、そうした方が良いでしょう。


 こちらのブログでも同じ事を書いています。少し変えてますが。