2019年4月5日金曜日

pHはピーエッチ?ペーハー?

 久しぶりの投稿です。今以下の本を読んでいます。初学者にも分かりやすい本ですのでお勧めです。

 酸塩基平衡の考え方 丸山一男著 南江堂

 その本の最初の方に、pHをペーハーと読むのは年配者と書かれていて驚きでした!そっか、これはドイツ語読みなので、現在は英語読みでピーエッチと教えているのだそうです。学校の先生をしている人に聞いたら、やはりピーエッチと教えているんだそうです。

 医療業界ではピーエッチと聞いた事があまりないのですが、それは働き始めるとみんながペーハーと言っているから訂正されるためなんだそうです。

 これから研修医の先生たちがピーエッチと言っていたら訂正しないように気をつけないといけないですね。

2018年11月28日水曜日

痛みが強くて過換気になった患者さん

 30歳ぐらいの男性が尿管結石による痛みで来院されました。激しい痛みのため冷や汗をかいていました。ペンタゾシン30mgを静注して対応しました。

 酸素投与なしでSpO2が100%を示しており、これは異常値とされていますので、血液ガスをとりました。呼吸回数は30/分でした。

pH 7.660
PaCO2 16.3 mmHg
PaO2 118.4 mmHg
HCO3 18.0 mmol/L
Anion Gap 15.3 mmol/L
Lac 1.51 mmol/L

 と言うデータでした。まず酸素可能を評価します。A-aDO2=150−118.4−16.3/0.8=11.2となり、酸素化能障害はありません。低酸素のために過換気になったのではないと考えられます。

 pHの上昇とPaCO2の低下が見合っているかどうか考えます。PaCO2が1低下するとpHは0.008上昇するとされていますので、予想されるpH=7.4+0.008×(40−16.3)=7.59程度となります。過換気による異常+代謝性アルカローシスがあると考えて良いでしょう。しかし、この人では追求しませんでした。

 結構強そうな男性でも痛みによって過換気になるのだなあと思った一例でした。

2018年9月23日日曜日

高濃度酸素を投与するとA-aDO2が開大する理由

 またまた久しぶりの投稿です。

 今回は他のページの引用です。こちらのページをお読みください。リンク先がなくなると困りますので、以下に私なりの解説です。

 肺胞気動脈血酸素分圧較差というのがあります。血液ガスをとったら必ず評価するように研修医の先生に伝えています。A-aDO2が分からない方は、別に解説していますのでご覧ください。

 このA-aDO2を酸素投与をしない状況で採血したデータでしか評価してはいけないという人がいます。なぜなら、高濃度酸素を投与していると、それだけでA-aDO2が上昇してしまい、患者さんの状態が悪いから上昇しているのかどうかが分からないからです。

 しかし、酸素投与をされてきた患者さんの酸素を中止して、ある程度の時間酸素投与なし(10分程度? )にしてから採血するというような行動は、患者さんを危険にさらすことになるかも知れませんので、あまりしません。どう評価するかは、別に学んで頂くとして、何故高濃度酸素を投与するとA-aDO2が上昇(開大するともいいます)するのでしょうか。

 全身から帰ってきた血液は、肺胞で酸素を充分受けて、例えばPO2が100mmHg位になって肺から出て、左心室を通り、全身に行きます。 しかし、リンク先によれば、3%程度の血液は肺胞で酸素化を受けずに動脈に送り出されるそうです。
 静脈血の酸素分圧が30mmHgだったとします(これは適当です)。肺から出てきた血液のPO2が100mmHgだった場合(酸素投与なし)と400mmHgだった場合(例えば、酸素15L/分)を考えてみましょう。

  酸素投与なしの場合、(100×97(%)+30×3)÷100=97.9となり、PaO2は98程度になります。酸素投与をして肺静脈内のPO2が400の場合(400×97%+30×3)÷100=389となり、酸素の低下の程度は5倍近いです。

 酸素化を受けていない3%の血液の酸素分圧と97%の酸素分圧の差が大きくなれば、A-aDO2に及ぼす影響は大きくなりますよね。よって、高濃度酸素を投与するとA-aDO2が高くなるのです。

2018年3月23日金曜日

低体温再び

 低体温の患者さんが来られました。自宅内で倒れていたとのことです。SpO2が測定できず、酸素4L/分で投与されていました。グッドジョブです!直腸温を測定したところ、30.8度でした。体温が低いため(循環血液量が減少していたのも原因かもしれません)血管が収縮しており、SpO2が測定できなかったのでしょう。救急はオーバートリアージですので、低酸素を除外できないのであれば酸素投与が原則です!

pH 7.147
PCO2 24.1 mmHg
PO2 180.3 mmHg
HCO3 8.1 mmol/L
BE -19.0 mmol/L
AnionGap 28.4 mol/L
乳酸 2.10 mol/L

 著明な代謝性アシドーシスと代償性の呼吸性アルカローシスでしょうか。採血では横紋筋融解と循環血液量減少が疑われました。大量輸液をして、加温をして入院となりました。

 前回の記事を参考にしていただくとよいですが、血液ガス検査は検体を37度にして検査をします。よって低体温の場合には、実際の値と異なる可能性があります。しかし、通常はそれを考慮せず、データとして表示されたものをそのまま解釈して問題ないようです。

2018年3月22日木曜日

乳酸が高い患者さん

 一昨日の投稿に関連するかも知れません。

 85歳の男性が呼吸困難で来院されました。SpO2が測定できなかったようで、高流量酸素を投与されて救急車で搬送されました。

pH 7.460
PCO2 14.1 mmHg
PO2 181.0 mmHg
HCO3 9.8 mol/L
Base Excess -12.1 mol/L
Na 130.5 mEq/L
K 4.42 mEq/L
CL 109 mEq/L
乳酸値 7.27mmol/L

 一昨日の文献を参考にすれば、この人は呼吸性アルカローシスで、それに伴って乳酸アシドーシスが来ていると考えることが出来ます。

 また通常に読めば、pHは7.4を越えて代償することはありませんので、この方はアルカローシスが主体であるという事になります。

 しかし、臨床症状などを考慮すると、循環不全によって嫌気性代謝が亢進しており、そのために乳酸が出たのだろうと考えました。

 こちらのスライドを見ていただくと乳酸に関する色々が書かれていて興味深いです。この患者さんは栄養不良があったので、ビタミンB1不足を疑って、ビタミンB1を投与しました。

2018年3月20日火曜日

過換気症候群と乳酸値

 またまたさぼってしまっていました。すみません。

 今日の朝医局の勉強会で上記のテーマで勉強会がありました。全然知りませんでしたが、過換気症候群の患者さんで乳酸値が上昇することがあるのだそうです。

 それは乳酸アシドーシスを呼吸で代償しているんじゃないの?と思うあなたはさすがです。そう言う場合もあるし、たぶん、そう言う場合の方が頻度が高いでしょう。

 しかし、本当に過換気症候群で乳酸が高いことがあるのだそうです。こちらのリンクをご覧ください。

 知らないことばかりで日々勉強が必要ですね!

2018年3月2日金曜日

本の宣伝です

 血液ガスとは関係ありませんが、別のブログに書いていたことを、日本医事新報社の方に本にして頂きました。

 絶賛発売中ですので是非ご覧戴き、ご意見頂けると嬉しいです。