2021年7月16日金曜日

酸素濃度を5倍してみましょう

  昨日の関連記事です。酸素化能の評価としてA-aDO2がスタンダードではないかと思っていたのですが、PAO2の予想がでたらめだとなれば、A-aDO2は意味がありません。


 では、どうすれば良いのでしょうか?


 私が研修医の頃、麻酔科の先生に「PaO2は吸入酸素濃度を5倍した値より少し低い」と言うのを教わりました。「A-aDO2を計算しなくなるから、これは研修医には教えてはいけないよ」と言われたのですが、私も研修医なのにいいのかなあ?と思った記憶があります。私は研修医時代から老けていると言われていて、研修医に見えなかったからかも知れません(麻酔の先生は非常勤の先生でしたから)。


 つまり、酸素投与をしない状態では、酸素濃度は約20%ですので、PaO2は100 Torr程度となります。酸素濃度が40%ならPaO2は200 Torr程度と言うことです。かなり大雑把で、ほとんど使うことはなかったのですが、最近買った本のP.104にFive Times Ruleとして紹介されていました。




 この本の中には、肺胞気式がやはり有用ではないことが記載されています。理由として、呼吸商を用いていること(実際に測定できない)、FIO2が0.6以上だと肺胞に窒素が入ってこない(理由は書かれていませんでした)、年齢によって正常値が変わる(事がどうして肺胞気式が有用でない理由になるのか書かれていませんでした)など、推測が多すぎると言うことだそうです。
 なんと、このFive Times Ruleは、ちゃんとした救急の本(Tintinalii's Emergency Medicine)に計算と共に書かれているそうです。知りませんでした。今まで馬鹿にしていてすみません。

 さあ、今日から肺胞気式を捨てて、吸入酸素濃度を5倍してみましょう!、、、、、、知らんけど。

 こちらのブログにもほぼ同じ記事を載せました。




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