呼吸性アルカローシスは怖いという実例です。こちらのEMAという若手救急医の集まりのサイトの症例75をご覧ください。
この患者さんは(問題が古いためでしょうか?症例のリンクが見られません)どんな身体所見だったのか書かれていませんが、若い女性ですし、過換気症候群だと思い込んでしまいそうな患者さんだったのではと推測します。乳酸も上昇していますが、過換気症候群で乳酸が上昇することもあるしね(どこかに記事を書いた記憶があるのですが見つかりませんでした)と思い込んでしまうと大変なことになります。
解説は読んでいただけば良いですが、PCO2とpHの関係からも、単純な呼吸性アルカローシスではないと分かります。PCO2からpHを予測する式があります。
予想pH=7.4+0.008×(40−PCO2)
これを計算すると7.608となり、実際のpHはそれよりも低いです。代謝性アシドーシスを合併しないとあり得ない値です(呼吸性アシドーシスと呼吸性アルカローシスは合併できません)。
過換気症候群は別の病気だと誤診しても問題ない疾患です(精神的なものに対して非精神科医は介入すべきでないと以前精神科の先生に教わりましたので)。よって、過換気の患者さんを診たら重大な病気ではないかと考えるようにしましょう。
そして、乳酸が上がっていたら、過換気のためと思い込むのではなく、乳酸が上がるような何かの代謝異常(type A;組織の低酸素、type B;ビタミンB1欠乏など)があるのではないか?と考えましょう、、、、、、知らんけど。
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