2021年10月3日日曜日

代謝性酸塩基平衡異常の解釈法:ABC-Gap法

  今日はこちらの論文の紹介です。著者の先生による新しい血液ガスの解釈法です。詳細は文献をお読み戴くのが良いですが、比較的長文で私には理解が出来ませんでした(当直明けで眠かったのもあるかも知れません)が、日本語ですので是非お読みください。呼吸性酸塩基平衡異常には適応しないと言うことです。


 以下手順です(Step2までは生理学的アプローチと同じです)。

 Step1 pHからアシデミアかアルカレミアか判定する。

 Step2 PCO2とHCO3から一次性障害が呼吸性か代謝性かを判定する。

(のですが、呼吸性の場合にはこの方法は使わない)

 Step3 ABC3つのギャップを計算し解釈する。

Anion gap:ΔAG=AG−12

Bicarbonate gap:BG=ΔAG−ΔHCO3=Na−CL−HCO3−12−(24−HCO3)=HCO3+ΔAG−24

 =補正HCO3−24=Na-CL-36

CO2 gap:CG=PCO2−予想PCO2=PCO2−HCO3−15

(HCO3が10−40の範囲にある場合にのみ適応)

 ΔAG>0 AG上昇型の代謝性アシドーシスがある。

 ΔAG<0 意義は不明。

 BG>0 代謝性アルカローシス

 BG<0 非AG上昇型の代謝性アシドーシス

 Step4 PCO2評価をする。

 CG>0なら呼吸性アシドーシス、CG<0なら呼吸性アルカローシスと診断。


 是非お試しください。

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