またまた久しぶりの投稿です。
今回は他のページの引用です。こちらのページをお読みください。リンク先がなくなると困りますので、以下に私なりの解説です。
肺胞気動脈血酸素分圧較差というのがあります。血液ガスをとったら必ず評価するように研修医の先生に伝えています。A-aDO2が分からない方は、別に解説していますのでご覧ください。
このA-aDO2を酸素投与をしない状況で採血したデータでしか評価してはいけないという人がいます。なぜなら、高濃度酸素を投与していると、それだけでA-aDO2が上昇してしまい、患者さんの状態が悪いから上昇しているのかどうかが分からないからです。
しかし、酸素投与をされてきた患者さんの酸素を中止して、ある程度の時間酸素投与なし(10分程度? )にしてから採血するというような行動は、患者さんを危険にさらすことになるかも知れませんので、あまりしません。どう評価するかは、別に学んで頂くとして、何故高濃度酸素を投与するとA-aDO2が上昇(開大するともいいます)するのでしょうか。
全身から帰ってきた血液は、肺胞で酸素を充分受けて、例えばPO2が100mmHg位になって肺から出て、左心室を通り、全身に行きます。 しかし、リンク先によれば、3%程度の血液は肺胞で酸素化を受けずに動脈に送り出されるそうです。
静脈血の酸素分圧が30mmHgだったとします(これは適当です)。肺から出てきた血液のPO2が100mmHgだった場合(酸素投与なし)と400mmHgだった場合(例えば、酸素15L/分)を考えてみましょう。
酸素投与なしの場合、(100×97(%)+30×3)÷100=97.9となり、PaO2は98程度になります。酸素投与をして肺静脈内のPO2が400の場合(400×97%+30×3)÷100=389となり、酸素の低下の程度は5倍近いです。
酸素化を受けていない3%の血液の酸素分圧と97%の酸素分圧の差が大きくなれば、A-aDO2に及ぼす影響は大きくなりますよね。よって、高濃度酸素を投与するとA-aDO2が高くなるのです。
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