知らなかったので記事にしました。
輸血の使用時に使うカリウム吸着フィルターについて調べていて、UpToDateの"Practical aspects of red blood cell transfusion in adults: Storage, processing, modifications, and infusion(成人における赤血球輸血の実際:保管、手順、調節、輸血法)"を読んでいてビックリ。
Red cell 2,3 BPG (previously called 2,3 diphosphoglycerate [2,3 DPG]) can increase oxygen delivery to the tissues by shifting the oxyhemoglobin dissociation curve to the right.
赤血球の2,3 BPG(過去には2,3ジホスホグリセレート(2,3 DPG)と呼ばれていた)は、酸素ヘモグロビン解離曲線を右方移動させ、組織への酸素供給を増加させる。
とありました。2,3 DPGさんは改名したんだ。知らなかった。それだけでは短いと思うので、UpToDateの記事の続きを紹介します。
Reduced 2,3 BPG has the opposite effect (ie, it can reduce tissue oxygen delivery by shifting the curve to the left) . Levels of 2,3 BPG begin to drop in stored units of RBCs by two weeks and can be as low as 10 percent of normal after five to six weeks. It is uncertain whether this abnormality is physiologically important, even in critically ill patients. Even if it were important, the 2,3 BPG concentration in the transfused cells returns to normal within 6 to 24 hours of transfusion, resulting in normalization of oxygen release.
2, 3 BPGが減ると逆の効果をもたらす。すなわち、ヘモグロビン酸素解離曲線を左方移動させることで、組織への酸素供給が減少する。2, 3 BPGは2週間以内に保存血の中で低下し始める。5−6週間後には正常の10%まで低下する。この2, 3 BPGの減少が、重症患者であっても、生理学的に重要かどうかは明らかではない。仮に重要だったとしても、2, 3 BPG濃度は6−24時間以内に正常に回復し、酸素放出は正常化する。
輸血の適応として、Hbが低下しすぎた場合というのがあり、酸素運搬量が減る(CaO2のほとんどはヘモグロビン結合酸素です)のを輸血によって防ぐと言うのがあります。が、2, 3 DPG(私が読んだ文献はそう書いていました)が減っているため、輸血をしてもあまり意味がないかも知れないとありました。しかし、上記の記載によれば気にしなくて良いと言うことですし、いや6時間は酸素放出が十分でないんだから、急いで輸血する意義はない!とも言えますね。
色々分からないことが多いですね。