2021年8月29日日曜日

血小板が30万から25万に低下したら低下したと考えて良いのか?

  例えば肺炎で入院した患者さんの血小板が30万/uLだったとしましょう。入院翌日も通常採血します。


「血小板が25万/uLに減少したので、血小板が炎症で消費されているための低下と思われます。」


 と言う発言は正しいのでしょうか?


 厳密に言えば違うというのが今日の記事です。


 昨日紹介させて頂いた、医事新報社の雑誌の症例を集めた本「Reverced C.P.C.による臨床検査データ読み方トレーニング」のP.9によれば、referance changeというものがあり、同じ人でも日々検査データは変化しており、その幅が検査項目によって異なります。また検査の誤差も含めて考えると血小板であれば31.1%も変動するそうです。


 よって、30万/uLあった血小板が低下したと言えるのは、32%以上低下した場合、つまり30×0.32=9.6万/uL以上低下した場合、つまり血小板が20.4万/uL以下になった場合、低下したと言えると言う事です。


 カリウムを例に取れば、reference rangeは14.4%だそうです。4だったカリウムは4×0.144=0.576以上低下、3.4以下になった場合、生理的変化を越えて低下した、あるいは、4.6以上になった場合に上昇したと考えて良いと言うことです。


 検査データの読みというのは難しいですね。

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