2021年8月30日月曜日

極端な低ナトリウム血症の患者さん

  高齢の寝たきりの患者さんが意識障害があるとのことで搬送されました。バイタルサインは問題なかったので、まず血液ガスを採取しました。研修医の先生が体調不良で休んでおられたので、久しぶりに自分で動脈血をとりました。


 出てきたデータは以下の通りです。

pH 7.469

PCO2 31.5 Torr

PO2 112.5 Torr(酸素マスクで5リットル/分投与)

HCO3 22.4 mEq/L

BE −0.7mmol/L

Na 測定不可

K 4.45 mEq/L

CL 72 mEq/L

Lactate 1.14 mmol/L


 ナトリウムが測定不可!?とビックリしましたが、CLも低いので低ナトリウム血症だろうと思いました。次に出たのは浸透圧で、205 mOsm/kg・H2Oでした。やはりナトリウムが低いと考え、3%生食を投与しました。


 生化学のデータではNaは102mEq/LでCLは65mEq/Lでした。私の経験した患者さんでは最も低い値でした。ナトリウムが低すぎると血液ガスの機械では測れない場合があるのですね。勉強になりました。


 記事は出来るだけ短くをモットーとしていますので、今回はこれだけ。解析などは別記事で紹介します。


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