2021年8月20日金曜日

浸透圧ギャップが高い時には偽性低ナトリウム血症も疑いましょう

  以前浸透圧ギャップを必ず計算しましょうと書きました。血液ガスを行っていなくても、低ナトリウム血症があったら浸透圧を測定することが多いので、その際は必ず浸透圧ギャップを計算しましょう。


 今回はそれをしていれば防げたのではないかという症例の紹介です。もう40年近く前の症例報告です。こちらのブログをご覧頂ければ幸いです。低ナトリウム血症だったのですが、高血糖によるものと考えてしまっていたのですが、著明な胃高脂血症による偽性低ナトリウム血症を伴っており、実際は高ナトリウム血症だったというものです。浸透圧ギャップが異常に高くなっており、患者さんは6歳であり、ほとんど食べられていない状態だったようですので、浸透圧ギャップを形成するような変な物質を摂取した可能性は非常に低いです。ナトリウムが低すぎると疑うべきだったと思われましたが、初診時に高脂血症による偽性低ナトリウム血症は疑われなかったようです。


 よって、浸透圧ギャップの開大を認めた場合、偽性低ナトリウム血症も疑い、血液ガス分析装置で測定したナトリウムの値を採用すべきですね。

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