2020年2月14日金曜日

慢性的にPCO2が高い人は急激にCO2ナルコーシスになるかも

CO2ナルコーシスはなかなか難しい病気なのです(私も詳しくは分かりません)が、たぶん知らない医療従事者はいないぐらいに有名です。よって、慢性呼吸不全の人に酸素をやってはいけないということがよく言われます。これについては議論があって、別に記事を書いた気がしますが、後日また書きます。

今回はもともとCO2が高い人は、急激に意識レベルが低下する可能性があることをお話しします。

先日意識レベルが急に低下して、血液ガスをとったらPaCO2が100以上あったという患者さんがいたようです。そんな急に意識レベルが低下するのか不思議だったのですが、昨日引用させていただいた文献に載っていました。右上の図は、昨日も紹介したこちらの文献から引用させていただきました(半井悦郎ら:呼吸管理に必要な呼吸生理. 日集中医誌.2008;15:49 56.)。縦軸がPaCO2(動脈血二酸化炭素分圧)で、横軸が分時換気量です。動脈血二酸化炭素分圧が高い人は、上の図でa点の様なところにあります。グラフの傾きが急になっています。よって、換気量が少し減っただけでPaCO2が急激に上昇することが分かりますね。

非常に勉強になりました。

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