2020年2月27日木曜日

急性呼吸性アシドーシスではBEは低下しません

 一昨日の続きです。BE(ベースエクセス;base excess)は、代謝性アシドーシスを素早く判定するための指標だと書きました。よって?急性呼吸性アシドーシスでは変化しないとのことです。

 今回はその理由を書いてみます。

 まず、急性呼吸性アシドーシスでは、PaCO2が1上昇すると、HCO3が0.1上昇するそうです。以下のような反応が起こるからだとされています。

CO2+H2O→H2CO3→Hイオン+HCO3

Hイオンは、BB(バッファーベース)中のAlbイオンなどと結合し、BBが減ります。しかし、HCO3が同じ量出来ていますので、BBは減りません。BEはBBが減ると低下するとされていますので、これだけでBEは低下しないことが分かりますが、それらについては、また後日(私がまだ理解していないから)。

BE=HCO3-24.2+16.2×(pH-7.4)

でした。例えばPaCO2が40から50に上昇したとすると、HCO3は1上昇し、25になるとします。

pH=6.1+log(HCO3/0.03/PaCO2

なので、代入して計算(関数電卓を使用しました)すると、pHは7.32になりました。

計算すると、BEは-0.496でほとんど正常です。

同じようにPaCO2が60に上昇したとすると、HCO3は26となり、pHは7.26で、BEは-0.468となりました。

確かに急性呼吸性アシドーシスではBEは低下しないようです。

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