2020年2月22日土曜日

アニオンギャップは自分で計算しましょう

血液ガス分析を行うと、通常は電解質(ナトリウムとカリウム、クロールやカルシウム)が一緒に測定され、自動的にAG(アニオンギャップ;anion gap)が計算されます。緊急時にAGが上昇(12以上を上昇と考えます)していると、アシドーシスがあって、以下のような病態だなと分かります。

糖尿病性ケトアシドーシス
アルコール性ケトアシドーシス
乳酸アシドーシス
腎不全
サリチル酸(アスピリン)中毒
その他

日本救急医学会の用語解説集より

しかし、私もそうですし、「酸塩基平衡の考え方(南江堂)」にもそう書いてありましたが、特に重症患者さんでは、AGが低い人が多いです。AGは低アルブミン血症があると低くなりますので、以下のような補正を行う必要があります。

補正AG=AG+2.5×(4−Alb)

しかし、それを行っても、やはりAGが低い人が多いです。その理由は、血液ガス分析で測定されたNaとCLの問題です。血液ガス分析では血清ではなく全血で測定するために、Naはやや低く、CLはやや高く出てしまうようです。よって、AGは低くなります。

よって面倒ですが、血清NaとCL、それから血液ガスのHCO3を使って計算した方が良いと思われます。

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