2020年3月5日木曜日

電解質は生化学検査で判断しましょう

 血液ガス分析をすると、たぶん今使っている器械であれば、一緒にナトリウムとカリウム、クロールとカルシウムが測定されると思います。自動的にAG(アニオンギャップ)が計算されて、非常に便利です。

 しかし、血液ガス分析で出されたAGはやや低めに出るそうです。それは電解質を全血で測定しているため、Naはやや低く、CLはやや高めに出るそうです。AGはNa-CL-HCO3ですので、Naが下がってCLが上がれば低くなります。

 面倒ですが、生化学のNaとCLを使いましょう。ちなみにですが、偽性低ナトリウム血症は血液ガス分析の器械では起こらないようなので、生化学検査でナトリウムが低い場合、血液ガスでも低ければ、偽性低ナトリウム血症は除外して良いのかもしれません。当院は浸透圧が至急で測定出来るので、浸透圧をオーダーすれば良いですが、経営を考えて出来るだけ検査を少なくしたければ、血液ガス分析で判断しても良いかもしれませんね(当院では、救急車で来た患者さんは、看護師さんが静脈血の血液ガス分析をルチンにしてくれます)。

 例えば、ある重症な患者さんのデータを示します。

血清Na 127
  K 4.75
  Cl 92
血糖 375
血液ガスでのNa 132.4
血液ガスでのCl 99
HCO3 4.2

自動で計算されたAG 34.0(たぶんAG=Na+K−CL−HCO3で計算している)
血液ガスの値を用いて計算 29.2
血清を用いて計算されたAG 30.8

そんなに大きな差はありませんが、1.6程度AGが低くなっています。

この事を血液ガス分析の器械を売っている業者さんに言ったら、うちは血液ガス分析が専門で、電解質測定はオプションですので、、、、、、、と言われたと言う噂です。

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