以前代謝性アシドーシスや代謝性アルカローシスの場合に、PCO2がHCO3+15位になればちょうど良い代償性変化だと書きました。
しかし、最近読んだHospitalistと言う雑誌の特集に、HCO3+15は「勧められない」と書かれていました。
がーん!!
その雑誌はHospitalistの最新刊で、Vol.7、P.868-875, 2019です。内科エマージェンシーの特集で「代謝性アシドーシス」のところです。
こちらの論文で不正確だと指摘されているそうで、以下の式(Winters formula)を推奨しています。
PCO2=1.5×[HCO3]+8±2
濃度を表す時には、[]を使うのが正しいのだだそうです。きっと学生時代に習ったんでしょうが、忘れてしまいました、、、、、、また、本当はHCO3の後に「-」等電荷を上付きでつけなければなりませんが、入れ方が分かりません、、、、、、すみません。
以前紹介した本「酸塩基平衡の考え方(南江堂)」のP.108-109には、両者の計算値が載っています。一番正しい?PCO2の予想は、代謝性アシドーシスでは予想PCO2=PCO2−(24−HCO3)×1.25だそうで、代謝性アルカローシスでは、予想PCO2=PCO2+(HCO3−24)×0.75だそうです。
HCO3+15は、HCO3が正常値から外れるに従って予測値と大きく差が出てきます(と言っても4は越えない)。
Winters formulaは、代謝性アシドーシスに限って使う物のようですが、軽度のアシドーシスの時には予測値と外れています(が同じように4は越えません。何とHCO3が24の時が一番差が大きい)。
よって、代謝性アルカローシスと軽度の代謝性アシドーシスではHCO3+15を用い、HCO3が14を切るぐらいの重症な代謝性アシドーシスではWinnters fomulaを使うのが良いかもしれません。しかし、Winterus fomulaは±2と言うのがついていて、曖昧ですよね。
と言うか、最初から代謝性アシドーシスならHCO3の変化×1.25を引き、代謝性アルカローシスならHCO3の変化×0.75を足せばイイじゃない!ってことになりませんかね。アシドーシスは1.25、アルカローシスは0.75を覚えるのが大変なので、+15を覚えれば良いので、HCO3+15で良いんじゃないでしょうか。人間の身体は計算通りにはいきませんしね。
<今回の極論ポイント>
呼吸性代償はやはりHCO3+15で良いでしょう。
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