血液ガス分析のデータを良く見てみると、HCO3はHCO3 actとかHCO3 standとか書かれています。当院は「HCO3act」となっています。PO2とか書かれていますし、下付き文字が難しいようですね(HCO3の3が下付に見えますが、フォントの関係です)。
研修医の時に疑問に思って検査室の人に聞いた記憶があるのですが、分からないと言われてしまい、当時はインターネットも普及していない時代だった(パソコンも持っていませんでした)ので、そのままになっていました。しかし、最近勉強して見つけました!
結論から言えば、いくつかのHCO3が書かれていたら、act(正確にはacutual)だけ見れば良いです。
actual HCO3は、pHとPCO2から計算された値です。HCO3は実際に測定していないんですよ。知っていましたか?計算式はpH=6.1+log(HCO3/0.03×PCO2)の関係から計算できます。
HCO3 standはstandard HCO3の略です。これは、PCO2を40mmHgとした場合のHCO3の値です。呼吸性の異常がなければ、HCO3 actとHCO3 standは同じ値だそうです。定義から言えばそうですね。
act>stand 呼吸性アシドーシス
act<stand 呼吸性アルカローシス
だと、こちらのサイトからダウンロードできるPDFファイルのP.88に書いてありました。
酸塩基平衡の考え方(丸山一男著、南江堂)P.17には、HCO3 standが高ければ代謝性アルカローシス、低ければ代謝性アシドーシスと考えて良く、代償性変化をするHCO3actよりも重視する先生がいると書かれています。
う〜ん、よく分かりませんし、当院のデータにはHCO3 standが出てきませんので、このデータは忘れても良いですね!HCO3 actのactは気にしないで良いと言うことだけ覚えておきましょう。
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