2020年7月1日水曜日

血液ガスをとったら冷やすべきか?

 私はそう習ったことはありませんが、血液ガスをとったら、検体を氷水や氷につけて冷やすべきだと習っている先生もいます。

 何故冷やさないといけないのでしょうか?

 血液の中には白血球や赤血球、血小板があり、これらはそれぞれ代謝を行っています。採血して身体から外に出ても、しばらくは代謝が継続します。特に白血球は酸素を消費するようです。

 よって、偽性低酸素血症(患者さんの身体の中は低酸素ではないのに、検査では低酸素となる)を予防するために、検体を冷やすべきと言うのです。

 例えばこちらの論文によれば、白血病で白血球が30万(!)以上になったりすると、著明に酸素分圧が低下する症例が報告されています。



 しかし、この論文にあるように、白血球が37000では正常値の時とあまり変わりなく、白血球が異常に高い患者さんがたくさんいる病院(血液内科がある)でなければ、通常はそのまま検体を提出すれば良いと思います。

 何らかの原因で検査が直ぐできない場合には冷やした方が良いでしょう。

 ちなみに、検体がちゃんと密封されて、血液が空気と触れないようになっている場合には、検体を冷やした後、検査のために37度に戻しても検査データは変わりません。

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