2020年5月28日木曜日

シスに注意

 シスと言えばStar Warsでは悪い人たちのことですね。血液ガスを学ぶ時にもシスが出てきます。暗黒面に落ちないように用語をしっかり勉強しておきましょう。

 アシドーシス(acidosis)とアシデミア(acidemia)の違いを説明できますか?出来る方は、この記事を読む必要はありませんが、きっとこのブログにたどり着いた方は読む必要があるでしょうね。

 まずacidは酸、alkaliは塩基(アルカリ)という意味です。emiaは何とか血症という意味で、例えば菌血症はbacteremiaと言います。osisとは状態の変化を表したり病気の名前についたりする言葉だそうです。

 アシデミア acidemia pHが7.35以下
 アルカレミア alkalemia pHが7.45以上
 アシドーシス acidosis pHを下げようとする病態
 アルカローシス alkalosis pHを上げようとする病態

 血液ガスデータを見て、「pHが7.3だね。アシドーシスだ!」と言うのはどうでしょう?
 pHを見て言えるのは、emiaです。正確には「pHが7.3だね。アシデミアだ!」と言うべきです。pHが7.3の場合、アシドーシスがなければ、pHは下がりませんので、アシドーシスがあるのは間違いないので、アシドーシスと言っても間違いではありませんが。

 アシドーシスやアルカローシスがあるかは、色々解釈しなければ分かりません。PCO2が50と高値であれば、通常は呼吸性アシドーシスですが、代謝性アルカローシスがあれば、呼吸性アルカローシスかもしれません。アシデミアがある時に、アルカローシスもあるかもしれません。

 用語はきちんと使った方がもちろんいいので、気をつけて使うようにしましょう。しかし、実際の現場では、大きな不利益はありませんね。

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