代謝性アシドーシスを見逃さないためにアニオンギャップ(Anion Gap;以下AG)を必ず計算しましょうと書きましたが、どんな検査も100%ではないので、AGも代謝性アシドーシスではないのに上昇することがあります(もちろんですが、AGの上昇しない代謝性アシドーシスもあります)。
復習しますと、AG=測定できない陰イオンー測定できない陽イオンでもありました。つまりAGが上昇するには
・測定できない陰イオンが増える。
・測定できない陽イオンが減る。
・両方がある。
の3つのどれかです。測定できない陽イオンは、カリウムやマグネシウム、カルシウムなども含んでいますが、それらの合計はそれほど高くなく、測定できない陽イオンが減ってAGが増えると言うことはあまりないと言われていて、考える必要がありません。
よって、AGの上昇=測定できない陰イオンの増加と考えて良いです。以下の3つが考えられます。
・アルブミン、リン酸、異常タンパク質(例えばIgA)の増加
・代謝性アルカローシス(軽度AGが上昇することがあるそうです)
・機器のエラー(Naが高く、CLやHCO3が低く出る)
詳細は今後記事にしていきます。しかし、AGが上昇していたら代謝性アシドーシスがあると考えて行動するのが良いですね。
今回はUpToDateの「Serum anion gap in conditions other than metabolic acidosis」と言う文献を参考にしました。
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