2021年6月17日木曜日

mmHgかTorrか?それともhPaか??

 血液ガスデータの分圧の単位として、mmHg(ミリメートル水銀柱、ミリメートルエッチジー、水銀柱ミリメートル)とかtorr(トル)、英語の文献だとPa(パスカル)と言うのを見たことがあると思います。一体どれを使ったら良いの??と思いますよね。


 結論を先に。


「mmHgは辞めてtorrを用い、将来に備えてPaを併記しましょう!」


 以下解説です。


 まず、 こちらのサイトに「新計量法による圧力の単位には、SIに係る計量単位としてPa(パスカル)、N/m2(ニュートン毎平方メートル)およびbar(バール)が用いられるほか、非SI単位として、生体内の圧力にTorr(トール)が、そして血圧にmmHg(水銀柱ミリメートル)が認められています。」とあります。後で解説しますが、正確に比較するためには(医療の現場では)Paを用いることが推奨されているようです。


 血液ガスにはTorrが用いられるようですが、国際的にはPaです。1kPa=7.5Torrですので覚えておきましょう。「PaO2 10kPa」と書かれていたら、75 mmHgです。おっと!その前に、Torrなのかtorrなのか?ですが、PaO2は100Torrと言うような記号として使う場合には、Tは大文字だそうです。「トルは血液ガス分析で分圧を示す単位として使われている」などと書く場合にはtorrと小文字だそうです。ややこしい。


 「mmHg」は血圧などにおいてのみ使用可能とされています。しかし、血圧もPaに変更することが求められているようで、英語のサイトにはkPaが併記されている場合があります。血圧120mmHgは16kPaとなりますが、これは分かりにくいですよね。私たちが生きている間は血圧はmmHgのままでしょう。GOTやGPTもAST、ALTになったのに、AST(GOT)、ALT(GPT)となっているみたいに。


 そして、血液ガス分析のデータはtorrにすることになっているようです(が、出来ればPaに変更)。TorrとmmHgは定義が異なる違った単位だったのですが、その誤差は非常に少なく、通常はTorr=mmHgとして良いです。また今の日本では全く同じ定義ですので、Torr=mmHgです。このブログでもmmHgは使わないように(最近ですが)しておりますが、Torrと同じと考えてください。


 mmHgと書いている方は、是非Torrに変えるようにしましょう。


 細かい定義などについては、次回記事をアップします。


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