2021年6月20日日曜日

乳酸アシドーシスがあってもアニオンギャップは上がらないかも知れません。

  昨日の記事の結論ですが、乳酸が高値だったのに、血液ガス分析装置のNa、CLを用いたため、AGが上昇しておらず、おかしな値になったという症例は、今回のタイトルのことを知っていれば、別にどちらでもいいことでした(最初にそう言っちゃあおしまいなので言いませんでした)。


 こちらの論文には、AGが16以上という基準を用いても4割から7割の乳酸アシドーシス(乳酸値が4mmol/L以上)を見逃す可能性があると書かれています。検査に用いたデータは血液ガス分析装置の電解質で、HCO3も計算値だと思われます。論文にはこちらのデンマークの会社の器械を使ったと書かれていました。しかし、AGはKを入れない計算式になっていました。器械が算出する値がそうなっているのか、論文を書くにあたって計算し直したのか、、、、、、気になりましたが、これもどっちでもいい話でしたね。


 こちらの本はある雑誌の座談会で勧められていた本なので購入しました。漫画チックな本だと書かれていたので面白そうだと思って買ったのですが、漫画チックなのは表紙だけでした。良く見たら、雑誌にも表紙が漫画チックだとかかれていました。まいっか。





 この本にはAGが15以上なら代謝性アシドーシスの可能性が高く、25以上ならまず間違いないだろうと書かれています。乳酸アシドーシスの場合には、AGの上昇とHCO3の減少の比率は1.5:1だと書かれています。


 血液ガスマイスターへの道は険しく曲がりくねっているようです。


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