2021年6月24日木曜日

浸透圧を求めるにはどの式を使ったら良いか?

  血液ガス分析には直接関係はありませんが、アニオンギャップが増加している時や、そうでない時でも浸透圧の計算が役立つことがあります。浸透圧は血液検査で測定できます。正確には重量モル浸透圧濃度(Osmolality)で単位はmOsm/kg・H2Oですが、ここでは単に浸透圧とします。


 測定された浸透圧と計算値には当然差(浸透圧ギャップと言います)があります。その差が大きい時(10以上)には、何はおかしな物質が血液中に増えていると予想されます。中毒や原因不明の代謝異常の診断に、この浸透圧ギャップが役立つことがあるのです。


 浸透圧ギャップは、測定された浸透圧−計算された浸透圧で求められます。計算された浸透圧は容積モル浸透圧濃度と言い、単位はmOsm/Lで、単位が違う物どうしを引き算して良いのか?と言う疑問もありますが、それも今回はいいでしょう。


 浸透圧の計算には血糖とBUN(血液尿素窒素)、ナトリウムが必要です。以下の式が有名です。

浸透圧の計算値(mOsm/L)=2×Na(mEq/L)+血糖(mg/dL)÷18+BUN(mg/dL)÷2.8

 係数はNaと同じだけ陰イオンがあるだろうと言うことで2、ブドウ糖は分子量が180、尿素窒素は28(10で割っているのは単位を合わせるため)のためとのことです。しかし、浸透圧の計算法は他にも色々あるようで、どれが一番良いのか検討した文献がありました。その文献によれば以下の式が一番いいようです。

=1.86×(Na+K)+1.15×血糖÷18+BUN÷2.8+14


 また別の文献では以下の式を推奨しています。

=1.89×Na+1.38×K+1.08×血糖÷18+1.03×BUN÷2.8+7.45


 今度使ってみよう。しかし、どちらの文献も一般的に認められている式もacceptableとしています。


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