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2020年1月2日木曜日

HCO3に15を足してみましょう

 呼吸性アシドーシスやアルカローシスがあるかどうかをチェックする場合、HCO3に15を足しましょう。超簡単ですね。

 例えばHCO3が15と低値(24程度が正常値です)を示す、代謝性アシドーシスであったばあい、15に15を足して30程度が予想されるPaCO2です。
 もし、PaCO2が40であれば、CO2は正常範囲ですが、代謝性アシドーシスの代償が不十分であり、呼吸性アシドーシスもあると考えます。また、PaCO2が25であった場合、やはり、PCO2が低いので呼吸性アルカローシスがあると考えます。
 これはどんな場合にも当てはまるそうです。

 よって、血液ガスをとったらHCO3に15を足してしましょう。そして、PacO2がその値と同じ位であれば、PaCO2が下がっていたとしても、それは代償の範囲であると考えることが出来ます。

2018年11月28日水曜日

痛みが強くて過換気になった患者さん

 30歳ぐらいの男性が尿管結石による痛みで来院されました。激しい痛みのため冷や汗をかいていました。ペンタゾシン30mgを静注して対応しました。

 酸素投与なしでSpO2が100%を示しており、これは異常値とされていますので、血液ガスをとりました。呼吸回数は30/分でした。

pH 7.660
PaCO2 16.3 mmHg
PaO2 118.4 mmHg
HCO3 18.0 mmol/L
Anion Gap 15.3 mmol/L
Lac 1.51 mmol/L

 と言うデータでした。まず酸素可能を評価します。A-aDO2=150−118.4−16.3/0.8=11.2となり、酸素化能障害はありません。低酸素のために過換気になったのではないと考えられます。

 pHの上昇とPaCO2の低下が見合っているかどうか考えます。PaCO2が1低下するとpHは0.008上昇するとされていますので、予想されるpH=7.4+0.008×(40−16.3)=7.59程度となります。過換気による異常+代謝性アルカローシスがあると考えて良いでしょう。しかし、この人では追求しませんでした。

 結構強そうな男性でも痛みによって過換気になるのだなあと思った一例でした。

2018年3月22日木曜日

乳酸が高い患者さん

 一昨日の投稿に関連するかも知れません。

 85歳の男性が呼吸困難で来院されました。SpO2が測定できなかったようで、高流量酸素を投与されて救急車で搬送されました。

pH 7.460
PCO2 14.1 mmHg
PO2 181.0 mmHg
HCO3 9.8 mol/L
Base Excess -12.1 mol/L
Na 130.5 mEq/L
K 4.42 mEq/L
CL 109 mEq/L
乳酸値 7.27mmol/L

 一昨日の文献を参考にすれば、この人は呼吸性アルカローシスで、それに伴って乳酸アシドーシスが来ていると考えることが出来ます。

 また通常に読めば、pHは7.4を越えて代償することはありませんので、この方はアルカローシスが主体であるという事になります。

 しかし、臨床症状などを考慮すると、循環不全によって嫌気性代謝が亢進しており、そのために乳酸が出たのだろうと考えました。

 こちらのスライドを見ていただくと乳酸に関する色々が書かれていて興味深いです。この患者さんは栄養不良があったので、ビタミンB1不足を疑って、ビタミンB1を投与しました。

2018年3月20日火曜日

過換気症候群と乳酸値

 またまたさぼってしまっていました。すみません。

 今日の朝医局の勉強会で上記のテーマで勉強会がありました。全然知りませんでしたが、過換気症候群の患者さんで乳酸値が上昇することがあるのだそうです。

 それは乳酸アシドーシスを呼吸で代償しているんじゃないの?と思うあなたはさすがです。そう言う場合もあるし、たぶん、そう言う場合の方が頻度が高いでしょう。

 しかし、本当に過換気症候群で乳酸が高いことがあるのだそうです。こちらのリンクをご覧ください。

 知らないことばかりで日々勉強が必要ですね!

2017年12月15日金曜日

激しい下痢の患者さん

 25歳の男性が激しい下痢と腹痛で来院されました。手足もしびれるそうです。静脈血の血液ガスです。

pH 7.615
PCO2 17.0 mmHg
PO2 45.1 mmHg
HCO3 16.9 mmol/L
AnGAP 19.9 mmol/L
乳酸 2.56 mmol/L

 酸素に関しては解釈できませんのでしません。

 代謝に関してはpHはアルカレミアでありアルカローシスが主体です。
 PaCO2が低下していますので呼吸性アルカローシスがあり、これがメインの異常です。
 PaCO2が23 mmHg低下しています。pHは0.008×23=0.184上昇しますので、7.584ぐらいです。代謝性アルカローシスもあるのかも知れません。
 HCO3は低下しており代謝性アシドーシスもあります。乳酸がやや高値ですので。アニオンギャップが7.9 mmol/L上昇しており、補正HCO3は24.8 mmol/Lで正常です。

 よって、過換気症候群、下痢による代謝性アシドーシス、循環血液量減少による乳酸アシドーシスがあると考えられます。

 CTでは大腸内に液貯留が著明であり、血液ガスの読みとあっています。大量の輸液を行い改善しました。

 この時に乳酸リンゲル液を入れると、乳酸値が上がるから避けるべきかと言えば、乳酸の代謝は充分行われるそうなので使って良いそうです。

2017年12月13日水曜日

循環血液量減少の患者さん

 今日の患者さんは前日より下痢が続いていると言う80歳の男性です。血圧が普段120mmHg前後なのに、80/38mmHg、脈拍数が78/分(心房細動のためにシベノール内服中)と言う状態でした。ルームエアーでの採血です。

pH 7.553
PCO2 22.1 mmHg
PO2 76.7 mmHg
HCO3 19.0 mmol/L
AnGAP 16.6 mmmHg
乳酸 2.48 mmol/L

まず酸素から評価します。PaO2は70mmHg以上ありますから、取りあえず問題ありません。
酸素化能はA-aDO2=45 mmHgと言う事で、年齢の半分以下と言う厳しい基準をとっても高値です。酸素化能障害がありますので、酸素投与を開始しました。

代謝の解釈に移ります。
pHが7.4以上ですので、アルカローシスです。アルカレミアもありますね。
PaCO2が22 mmHgと低値を示しており、アルカローシスの原因は呼吸にあります。呼吸性アルカローシスが主体となります。
PaCO2は正常値の40 mmHgから18 mmHg低下したと考えると、PaCO2が1 mmHg低下でpHは0.008上昇しますので、計算するとこの方では0.144上昇するので、予想されるpHは7.4+0.144=7.544であり、測定された値とだいたいあっています(とすると代謝性変化と合わないのですが)。
HCO3は5 mmol/L程度低下しています。アニオンギャップはほぼ正常ですが、正常値の12 mmol/Lから4.6 mmol/L上昇したと考えると、補正HCO3は採血結果に4.6を足して23.6 mmol/Lとなります。ほぼ正常値ですので、アニオンギャップが上昇しないアシドーシスや代謝性アルカローシスはないと考えて良いでしょう。
乳酸値が軽度上昇していますので、アニオンギャップ上昇の原因はこれでしょう。

まとめると以下のようになります。
酸素化能障害あり(A-aDO2=45 mmHg)
呼吸性アルカローシス

以下は軽度の影響しかない
代謝性アシドーシス(たぶん代償ではない)
アニオンギャップ上昇

病態とそれに対する治療は以下のようにします。
細菌性腸炎による下痢による循環血液量減少があり、輸液が必要である。これは身体所見より判断しました。
下痢が続けば、下痢による代謝性アシドーシスも合併してくるかも知れない。
酸素化能障害があるため酸素投与が必要である。原因精査も必要である。
呼吸性アルカローシスは酸素化能障害以外にも、過換気症候群もあるかも知れない。

2017年12月8日金曜日

ルームエアーでSpO2が99%以上は変だと思いましょう

35歳の男性が息苦しいという事で来院しています。SpO2は100%でした。

おかしいなと思って採血しました。静脈血です。

pH 7.503
PCO2 27.9 mmHg
PO2 54.3 mmHg
HCO3 21.4 mol/L

pHが7.4以上なのでアルカローシスが主体です。
PCO2が低値なので呼吸性アルカローシスです。
PCO2は12.1低下していると考えると、pHは、7.4+0.008×12.1=7.497ぐらいになります。

よって、この患者さんは単純な呼吸性アルカローシスと言う事になります。

他の検査で大きな異常はなく、過換気症候群と考えられました。

SpO2が99%以上ならおかしいというお話は、以下の本の69ページに載っています。他にもSpO2の値を見ても9割以上の医師の方針が変わらなかったという事が書かれており、特に救急外来ではSpO2よりも呼吸数を重視しましょうと書かれています。



<本日の極論ポイント>
 酸素投与をしていない患者さんのSpO2が99%以上だったら患者さんに何か異常が起きていると考えましょう。



2017年12月7日木曜日

呼吸困難で来院の患者さん

 20歳の女性が呼吸困難で来院されました。呼吸数が34回/分以外にバイタルサインの異常は認められません。ルームエアーにてSpO2は100%でした。血液ガスデータを示します。

pH 7.607
PCO2 14.6
PO2 167.4
HCO3 14.2

PaO2は100を越えていて酸素の問題はありません。
酸素化能障害を調べるとA-aDO2=−36となります。誤差なのか、本当は酸素を吸っていたのか?色々考えてしまいますが、酸素化能障害はないのでしょう。
pHは7.4以上でアルカローシスが主体です。
PCO2が低いため、呼吸性アルカローシスです。呼吸数が34/分というのとあいますね。
PCO2が1低下するとpHが0.008上昇するため、PCO2は正常値の40から25.4低下していると考えると、pHは7.60程度のはずで、採血データとちょうどあっています。

 よって酸素化能障害を伴わない呼吸性アルカローシスと言う事で過換気症候群と考えて良いでしょう。採血でもD-Ddimerは陰性で、肺塞栓はほぼ除外できると判断しました。
 患者さんは病院に来てから落ち着いたようで、無事帰宅されました。

 過換気症候群は怖い病態が潜んでいることがあるので、注意が必要ですが、今回は何もなくて良かったです。

2017年12月5日火曜日

PaCO2は肺炎の予後を示す可能性があります

 救急外来にやって来る肺炎の患者さんは、過換気になっていることが多いです。熱があって、咳があって、呼吸数が30/分、SpO2が90%(酸素投与なし)等という人が来れば、写真を撮らなくても肺炎と診断できます。

 血液ガスを採取すれば、PaCO2が低値になっています。こちらの文献によれば、PaCO2が低値、あるいは高値になっていると、死亡率が非常に高いんだそうです。

 肺炎の患者さんが運ばれてきたら、やはり血液ガスをとった方が良いですね。静脈血でも良いので!

 この文献は、以下の本のP.192に紹介されていました。カラフルでとても読みやすい本ですのでお勧めです。



<今日の極論ポイント>
 肺炎の患者さんを診たら、血液ガスを静脈血でも良いのでとりましょう。

2017年11月24日金曜日

二酸化炭素を考慮した酸素減量法

 前回、酸素投与量を下げる時にも、動脈血酸素分圧 PaO2と吸入酸素濃度 FIO2が比例することを考えれば良いというお話をしました。

 しかし、肺炎などで酸素化能障害が発生し、PaO2が低下してくると、通常は過換気になってPaCO2が低下し、PaO2の低下を食い止めようとします。

 そのような状態で得られた血液ガスデータを使って、酸素投与量を下げる時は、PaCO2が正常の40ぐらいになった状態を想像しなければなりません。今回はそう言う計算?を紹介します。

 今回の患者さんは75歳の女性です。腹痛で救急搬送されました。循環血液量減少と、外が寒かったために、末梢循環が悪かったためでしょうか、SpO2が上手く測れなくて、オーバートリアージで酸素投与(フェイスマスクで4リットル/分)をして搬送されました。Good job!です。

pH 7.447
PCO2 30.9 mmHg
PO2 142.4 mmHg

 A-aDO2を計算すると、以下の通りです。

A-aDO2=713×0.36ー142.4ー30.9/0.8=76 mmHg

 これが同じ値で変わらないとすれば、PaCO2が40 mmHgになると、FIO2が0.36の人のPaO2は、、、、、

PaO2=713×0.36ーPaCO2/0.8ーA-aDO2=713×0.36ー40/0.8ー76=130 mmHgぐらいになります。

 PaO2を100ぐらいに下げたいのであれば、100÷130=0.77ぐらいFIO2を下げます。0.36×0.77=0.277ということで、酸素は約2リットル/分に下げられます。マスクではあまりよろしくないので、経鼻カニュラに変更することになりますね。

 前回の計算と比較して頂ければいいのですが、あまり大きな違いはありません。よって、現場ではPCO2が低くても、酸素濃度は比例するという風に考えて酸素投与量を下げていけば良いでしょう。あるいは過換気になっている状態で酸素投与量を下げることはない(患者さんの状態が改善していない)ので、気にしないと言う風でも良いでしょう。

<今回の極論ポイント>
 酸素投与量を下げる場合、二酸化炭素の事を考慮する必要はありません。

2017年11月11日土曜日

異常が複数あった場合、どれがメインで、どれが代償か?

 血液ガスデータを解釈していると、呼吸性アルカローシスと代謝性アシドーシスが両方あるというようなことがあります。この時、どちらがメインで、どちらが代償なのか?あるいは両方あるのか?と言うことが分かりにくいです。

 しかし、きちんと解析すれば分かることも多いです。以下の患者さんは「呼吸性アルカローシス」と「代謝性アシドーシス」がありますが、どちらがメインなのでしょうか?

pH 7.376
PCO2 28.0 mmHg
HCO3 16.0 mmol/L

 こちらの文献によれば、変化率が大きい方がメインだと言うことです。

 PCO2は正常の40から12低下しています。30%の低下ですね。
 HCO3は正常の24から8低下しています。33%の低下ですね。
 よって、この方は、代謝性アシドーシスを呼吸で代償していると言うことになります。

 細かいことを言えば、呼吸の代償は計算とは合わないので、代謝性アシドーシス+呼吸性アルカローシスという診断になるのですが、取りあえずメインはどちらかが分かれば良いと思います!
 呼吸性アルカローシスと代謝性アシドーシスが両方ある疾患は、アスピリン中毒と敗血症しかないそうですので、余裕のある方は、覚えておくと良いでしょう。

 こちらの記事に別の方法を紹介していますので、是非ご覧ください。こっちの方が簡単でしょうし、たぶん同じ事になると思います。

<今回の極論ポイント>
 変化率の大きい方がメインの異常で、変化率が小さい方が代償性変化です。

2017年11月10日金曜日

BEやHCO3は見なくても良いです。

 以下の患者さんは、前日の夕方から倒れたままで動けなかったそうです。ヘルパーさんに発見されて、救急搬送された90歳の男性の方の血液ガスです。

pH 7.432
PCO2 29.5 mmHg

 以下PO2、HCO3、BEなどと続いていきますが、血液ガスが苦手だと言う理由の一つにデータが多すぎるということがあります。今回は上記の二つだけ見ましょう!簡単でしょ!

 以前に別の所にも書きましたが、実際に測定している血液ガスデータは、この二つとPaO2の3つだけです。他は計算式なので見なくても大丈夫です!実際、BEは見てはいけないという人もいます。例えば、UpToDateの"Approach to the adult with metabolic alkalosis(代謝性アシドーシスのある成人患者へのアプローチ)"や"Simple and mixed acid base disorder(単純、混合性酸塩基平衡異常)"と言う文献には、BEとかbase excessと言う言葉が出てきません。

 まずpHを見ます。7.4が正常と考えます。7.45まで正常なので、この人はpHは正常なのですが、やや高めですから、アルカローシスがあります。

 次にPaCO2を見ます。呼吸性アルカローシスならばPaCO2は低下しているはずで、確かに低下しています。この人の呼吸数は22/分でした。

 以前書いたように、PCO2が1低下するとpHは0.008上昇するはずです。この患者さんはPaCO2が40から10.5低下していますので、pHは0.084上昇するはずなので、pHは7.484のはずです。しかし、pHはそれよりも低いです。よって代謝性アシドーシスが合併していると考えられます。

 呼吸性アルカローシスと呼吸性アシドーシスは同時に存在できませんが、代謝性アシドーシスと代謝性アルカローシス、呼吸の問題(呼吸性アシドーシスか呼吸性アルカローシスのどちらか)の3つは同時に存在可能です。

 と言うことで、この患者さんは、呼吸性アルカローシスと代謝性アシドーシスがあることが、pHとPaCO2の二つを見るだけで分かりました。

 実際のデータを示します。

HCO3 19.2 mmHg
BE -3.7 mmol/L
Anion Gap 17.7 mmol/L
乳酸 4.58 mmol/L

 乳酸は2 mmol/L以下が正常値ですので、乳酸アシドーシスがありますし、Anion Gapも正常値の12 mmol/Lから5.7 mmol/L上昇していますね。半日以上飲み食いできず、循環血液量減少があったのと、軽度の横紋筋融解(CKが2000程度でした)があったことによるのでしょうか。呼吸数も早く、エコーで下大静脈がぺちゃんこだったことも分かりました。血液ガスデータ以外からも、呼吸性アルカローシスと代謝性アシドーシスを疑うことが出来ます。

 もちろん詳細な評価のために、HCO3やBE等の値も必要ですが、「血液ガスはちょー苦手!!」と言う人には、「pHとPaCO2だけでも簡単に解析は出来るんだよ!」と言うことをお伝えしておきます。見なければならないデータは少ない方が良いですよね。

 時々主張しているのですが、血液ガスで大事なことは、以下の二つです。心電図でも同じ事が言えそうですが。

・全部理解しようとしない。
・血液ガスのデータだけで患者さんの評価をしない。

<今回の極論ポイント>
・血液ガスなんて行わなくても患者さんの治療は出来る。
・血液ガスアレルギーを治すためには、たまには血液ガスから離れる事もありかも知れません。
・代謝を見たい時には、pHとPaCO2だけ見ましょう!

2017年11月9日木曜日

アシドーシスか?アルカローシスか?どっちがメイン?

 代償という言葉があります。一般的には償いということですが、血液ガスの分野ではちょっと違います。英語ではcompensationと言います。意味は日本語と同じです。

 人間の身体はすごいもので、何か問題が発生すると、その問題による不利益をできるだけ少なくするように、別のシステムが働いて、不利益を最小限にしようとします。血液ガスの分野では、pHが変化する問題が発生した場合、pHの変化を最小限にしようとする働きを代償性変化と言っています。

 つまり、アシドーシスとなるような病気が発生した場合、その変化を最小限、つまりpHの低下を最小限にしようと、pHを上げるような働きが起こります。これは代償性変化と呼びます。メインの異常ではないので、アルカローシスとは言わないんだそうです。

 では、以下の患者さんのように、代謝性アシドーシスと呼吸性アルカローシスがあった場合、どちらがメインで、どちらが代償なのでしょうか?あるいは、どちらもメインか、どちらも代償なのでしょうか?

pH 7.376
PCO2 28.0 mmHg
PO2 92.4 mmHg
HCO3 16.0 mmol/L
BE -7.4 mmol/L
Na 133.7 mEq/L
K 4.61 mEq/L
CL 101 mEq/L
Anion Gap 21.3 mmol/L
乳酸 3.93 mmol/L

 答えは簡単です。pHが正常値の7.4より高いか低いかを見る。それだけです。もちろん例外もありますが、基本それで良いです。

 つまりこの患者さんでは、代謝性アシドーシスと呼吸性アルカローシスがあるのですが、pHが7.4より低いため、アシドーシスがメインだと言うことです。

 何故かと言えば、「代償性変化はpHが7.4を越えて変化するほどは起こらない」というのが原則だからです。

 逆に、こんな感じの値であれば、代謝性アシドーシスが代償性変化なのだそうです。

pH 7.465
PCO2 21.3 mmHg

 これはわざと他を省略しました。簡単に言えば、pHとPaCO2だけ見れば良いと言うことです。PaCO2が低下すればpHは上昇し、PaCO2が上昇すればpHは低下するので、それにあっていれば、呼吸性なんとかがメインで、この原則に反していれば、呼吸性なんとかは代償だと言うことです。

pHが7.4以下
 PaCO2が上昇 呼吸性アシドーシス
 PaCO2が低下 代謝性アシドーシス
pHが7.4以上
 PaCO2が上昇 代謝性アルカローシス
 PaCO2が低下 呼吸性アルカローシス

と言う風になります。

 今日は複数の酸塩基平衡の問題があれば、pHを見て、7.4以上であれば何とかアルカローシスがメインであり、7.4以下であれば何とかアシドーシスがメインだと言うことを学びました。

 もし、pHが7.4だったらどうするのですか?と思う人、あなたは鋭いです!!答えは私にも分かりません、、、、、、、

<今日の極論ポイント>
 複数の酸塩基平衡の問題があれば、pHを見て判断しましょう。
 pHが7.4以上ならば○○アルカローシス、7.4以下ならば○○アシドーシスがメインです。