血液ガスデータを解釈していると、呼吸性アルカローシスと代謝性アシドーシスが両方あるというようなことがあります。この時、どちらがメインで、どちらが代償なのか?あるいは両方あるのか?と言うことが分かりにくいです。
しかし、きちんと解析すれば分かることも多いです。以下の患者さんは「呼吸性アルカローシス」と「代謝性アシドーシス」がありますが、どちらがメインなのでしょうか?
pH 7.376
PCO2 28.0 mmHg
HCO3 16.0 mmol/L
こちらの文献によれば、変化率が大きい方がメインだと言うことです。
PCO2は正常の40から12低下しています。30%の低下ですね。
HCO3は正常の24から8低下しています。33%の低下ですね。
よって、この方は、代謝性アシドーシスを呼吸で代償していると言うことになります。
細かいことを言えば、呼吸の代償は計算とは合わないので、代謝性アシドーシス+呼吸性アルカローシスという診断になるのですが、取りあえずメインはどちらかが分かれば良いと思います!
呼吸性アルカローシスと代謝性アシドーシスが両方ある疾患は、アスピリン中毒と敗血症しかないそうですので、余裕のある方は、覚えておくと良いでしょう。
こちらの記事に別の方法を紹介していますので、是非ご覧ください。こっちの方が簡単でしょうし、たぶん同じ事になると思います。
<今回の極論ポイント>
変化率の大きい方がメインの異常で、変化率が小さい方が代償性変化です。
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