2020年6月23日火曜日

ガラスのシリンジ懐かしい!

 昔の話をすると笑われますが、私が研修医の頃はガラスのシリンジがあり、血液ガス分析にもガラスの注射器を使っていました。当時今と同じプラスチックの注射器もあったのですが、血液ガス分析にはガラスの注射器の方が良いと言われていたのです。理由は以下の通り(Dr.大塚の血液ガスのなぜ?がわかる、大塚将秀著、学研、P.36)で、それは今でも知っておいた方が良いかもしれません。

・ガラスは気体を通さないため、採血後の気密性が保たれる。プラスチックは液体を通しませんが、気体はゆっくりですが通します。
・ピストンとシリンジの死腔にヘパリンを満たすと、全く空気に触れることなく採血が出来る。
・ピストンとシリンジ間の抵抗が非常に小さいので、動脈血から採血していると言う実感がある。

 しかし、現在は専用のシリンジが開発され、値段も安くなったのと、ガラスのシリンジが廃止された(と思われます)ので今の若い人は見たこともないでしょう。落として破損する事もありましたし、毎回洗浄するのも手間がかかるためだと思われます。

 ガラスのシリンジで採血した場合、針先をゴム栓でフタをしないと血液が出てきてしまいます。血液を落とさないようにゴム栓をするコツがあったのですが、そんな技術は今は役に立ちませんね(^^)。逆に針刺しのリスクもありますし。

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