2020年6月26日金曜日

酸素飽和度の色々

 昨日の続きです。酸素飽和度とは、ヘモグロビンにある酸素の座席がどのぐらい埋まっているか?と言う指標です。

 一番身近なものはパルスオキシメーターによって測定された酸素飽和度ですが、血液ガス分析の器械のはじき出すデータをきちんと見ると、酸素飽和度が二つあるはずです。sO2とFO2Hbなどとなっているものです。

 sO2あるいはO2SATなどと表示されている物は、機能的酸素飽和度と呼ばれています。以下の式で求められます。
 機能的酸素飽和度=酸素ヘモグロビン÷(酸素ヘモグロビン+脱酸素ヘモグロビン)

 またFO2Hbは、分画酸素飽和度と呼ばれる物で、Fはfractionの略で、酸素濃度などもFIO2とFが使われています。以下の式で求められます。
 分画酸素飽和度=酸素ヘモグロビン÷全ヘモグロビン

 分画酸素飽和度は、機能的酸素飽和度の分母に一酸化炭素ヘモグロビンとかメトヘモグロビンとか色々なヘモグロビンを足した物です。よって、分画酸素飽和度の方がやや低いのが一般的です。

 そして、昨日の計算式の係数は1.39が正式であり以下のように分画酸素飽和度を用いるべきです。
動脈血酸素含有量(CaO2)=1.39×Hb×分画酸素飽和度+0.0031×PaO2

 しかし、酸素飽和度が機能的酸素飽和度でしか求められない場合もあったりして、その際は係数が1.39では大きすぎるということなのでしょう。

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