2020年6月16日火曜日

AGをAlbで補正するなんて聞いたことなかったぞ!

 アニオンギャップをアルブミン値で補正するのは、ほぼ常識になりつつありますが、そんなこと知らなかったぞ!と言う人もおられると思います。私もそうです。いつ知ったのか覚えていませんが、5年ぐらいしかたっていません。

 研修医の頃血液ガスについて勉強したし、その後もそれなりに勉強したけどな〜なんて思っていましたが、なんとこちらの論文によれば15年ほど前から言われ始めたのだそうです(論文が出たのが2018年で13年前からと書かれています)。原文は「Surprisingly, it is only within the last 13 years that a correction factor has been developed that can be introduced into clinical practice.」です。日本語にすれば「驚くべき事に補正係数が示され、それが実際の診療に紹介されてから13年程度しか経っていない」という感じです。

 また同じ文献には、有名なテキストでアニオンギャップがどう書かれているかについての表が載っており、何とセシル内科学第24版にはアニオンギャップをアルブミンで補正する記載がまったくないとのことです。こちらによればセシル内科学の原著は2020年に第26版が出ているそうです。Albの補正が書かれているか読んでみたいですが、、、、、、28699円とのことです。病院で買ってもらおう、、、、、、、

 以下の本は研修医の時に第一版を読んで、その後第二版が出たと言うことで原著を買って良く読んだ記憶があるのですが、なんと、P.128にアルブミンが低下するとAGが低下すると書かれています。補正をしなさいとは書かれていませんが、しっかり読んだはずなのに、、、、、、英語だったから仕方がないと言うことにしておきましょう。第二版で出版が止まっているのが残念です。第二版の原著は1999年に出版されています。



 よって、「先生Alb補正するのは常識ですよ!そんなことも知らないんですか?」と若い先生に馬鹿にされたら以下のように対応しましょう。

 「アルブミン補正なんて、俺が研修医の頃はなかったぞ!少なくとも2005年までは、俺は血液ガスについて最新の知識を得ていたが、そんなのは載っていなかった!最近言われ始めたんじゃないのか?」と答える。

 「俺はセシル内科学を読破したけれど、そんなこと書いてなかったぞ!えっ!今は26版なんだ、、、、、、俺は24版を読んだんだけどな。」と答える。

 「そうなんだ、アルブミンで補正するなんて知らなかったよ〜。君はよく勉強しているね。ところで、何でアルブミンが低いとAGが低くなるんだ?」と答える。

 最後の様に言われた若い先生向けの記事を明日アップする予定です。

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