2020年6月28日日曜日

溶存酸素の係数は何故0.003か

 血液中に酸素がどのぐらい含まれているか?を知るには、酸素含有量という指標が必要です。動脈であれば、CaO2と言います。

 CaO2=Hb結合酸素+溶存酸素
 =1.39×Hb濃度×酸素飽和度+0.003×PaO2

 Hb結合酸素の係数「1.39」については別に解説しましたので、良かったらご覧ください。

 さて、今日は0.003についてです。こちらのサイトに書いてありますので読んでください。勉強になりますし面白いです。高校までの化学の知識も復習になります、、、、、、たぶん。

 さて、そのサイトの3ページ目に載っていますが、溶存酸素の係数の求め方です。と言うか、普通は求める必要はありません(^^)。

 気体が液体に溶ける量は分圧に比例しますが、通常の我々の環境であれば、1気圧、つまり760mmHg中の割合に比例します。また気体によって液体への溶けやすさが違います。それを表した係数がブンゼン係数と言い、酸素は0.024だそうです。CaO2は「/dL」で表すので、PaO2が1mmHgの時の溶存酸素の量は以下の通りです。1dL=100mlです。

 1÷760×0.024×100=0.00315789

 となります。よって、溶存酸素の係数は0.003、あるいは本によっては0.0031となっています。0.0032じゃないのか?等と細かいことを言っていると女性にもてませんので注意しましょう。たぶんですが、血液は純粋な水ではありませんから、ブンゼン係数が多少変化するのでしょう。まあ、臨床ではPaO2が100であっても0.3ml/dLしかなく(CaO2は20ml/dL程度です)1.5%程度ですので、無視してCaO2=Hb結合酸素と考えても問題ない場合が多いです。

 ちなみに、何故「/dL」なのか?よく分かりませんが、Hbも「g/dL」ですので、「/dL」が扱いやすいのではないでしょうか。

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