ETは「地球外生命体」という意味ではなく、呼気終末という意味です。ETはend-tidalの略です。辞書で「tidal」を調べると潮の満ち引きと言うような意味らしいです。呼吸の繰り返しを潮の満ち引きに例えたのですね。オシャレです。
このデータは、PaCO2とだいたい一緒なので、血液ガスを採取する回数を減らすことが出来ます。しかし、だいたい一緒とはあいまいすぎますよね。正確に分からないのでしょうか?
死腔換気率を今日は勉強しましょう。例えば、こちらのサイトに載っていますが、一回換気量のうち、実際にガス交換に関わっていない割合を示します。
一回換気量が500mlだったとして、吸い込んだ500mlが全て肺胞に入るわけではありません。口の中、気管、気管支ぐらいまでは肺胞がありません。これらを死腔と言います。肺胞が実際にあっても、ガス交換されていないところもあるでしょう。患者さんの状態によっても死腔換気率は変化します。計算式は以下の通りです。
VD/VT=(PaCO2−PETCO2)÷PaCO2
死腔換気率は、「VD/VT」と表示します。VD、VTのVはvolume(量)です。Dはdead space(死腔)で、Tはtidalです。VDは死腔換気量、VTは一回換気量と言う事になります。どちらも気体なので、大文字ですね(が、字そのものの大きさは小さくします)。
血液ガスとPETCO2を測定し、計算します。PaCO2が40mmHgでPETCO2が35mmHgと言う人がいたとします。死腔換気率は、(40−35)÷40=12.5%となります。気管挿管すると死腔換気率は減少しますので、これぐらいでしょう。
この人のPETCO2が40になったとすると、死腔換気率が変化しないと仮定すれば、PaCO2は45.7mmHg程度になっていると予想できます。計算式は以下の通りです。
PaCO2=PETCO2÷(1−死腔換気率)
患者さんの状態は刻々変化しますので、結局血液ガスをとることになるのかも知れませんが、大きく間違うことはないでしょうから、PETCO2をきちんと利用したいですね。
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