2017年11月15日水曜日

心肺停止の原因としてアシドーシスは本当にあるのか?

 ICLSインストラクターをされている方から質問されました。受講生の方に医師がおられて、肺塞栓の症例とか出した場合には、詳細な血液ガスデータを出した方が良いと思うので、実際の症例のデータをいただけませんか?と。

 その方にはデータをお渡ししましたが、結論から言えば、必要ありません。

 血液ガスそのものからは少しずれますが、ICLSコースで大事なことは、鑑別診断をきちんとすることではありません。ICLSコースで大切なことは別にあります。
 しかし、医師に多いですが、その症例はどんなだったの?などと本筋ではないところに興味が向いてしまう人がいます。ICLSコースで大切なことは、きちんと蘇生をし、電気ショックが適応となる患者さんであれば、素早く安全に電気ショックを行い、電気ショックが適応ではない患者さんであれば、心肺停止になった原因の検索が必要です(もちろん、電気ショックが必要な患者さんでも、原因検索は必要ですが、電気ショックの方が優先されますからコースでは、そこまでの余裕はないでしょう)。

 よって、詳細な血液ガスデータは必要ありません。

 それから、心肺停止の原因として、アシドーシスがどんな本にも挙げられていますが、本当にアシドーシスが原因で心肺停止になるのでしょうか?アシドーシスは、他の疾患によって発生した二次的な原因ではないのでしょうか?もしそうだとすると、心肺停止中にはさらにアシドーシスがあるのが当然なので、血液ガスデータを取るのは良くないのではないでしょうか?

 等と考えています。いかがでしょうか?

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