2017年11月1日水曜日

どこから採血しますか?

皆さんは、血液ガス分析のための採血をどこから採血されていますか?

救急外来では大腿動脈から採血することが多いと思います。普通は問題ありませんが、時々本当にいいのだろうか?と考えるのが良いと思います。

大腿動脈から穿刺する事の利点と欠点を挙げてみます。

利点
・血管が太いので刺しやすい。
・その為結果的に痛みが一番少ない。
・他に通常の採血も行う場合、最もやりやすい。

欠点
・鼠径部を露出するため、患者さんは嫌なのではないか。
・太い静脈が伴走しているため、動脈血を取りたかったのに静脈血採血となるリスクがある。
・側副血行路がないため、血管が閉塞するとまずい(が、閉塞することはまずないでしょう)。
・穿刺部位によっては腹腔内出血の危険もある。

では、橈骨動脈から採血する場合はどうでしょう。教科書的にはこちらを推奨するものが多いです。

利点
・患者さんは恥ずかしくないだろう。
・太い静脈の伴走がないため、手首から採血できたらまず動脈血だろう。
・側副血行路がある。
・大きな臓器の損傷の危険はない。

欠点
・細いので難しく、何度も刺したりして患者さんに苦痛を与える。
・同時に他の採血をするのは難しい。

また、どの部位で採血したとしても、仮性動脈瘤の危険があったり、その後に行われるインターベンションの時に穿刺が難しくなると言う様なリスクがあります。が、当院の循環器の先生方は、我々はプロなのでちょっとぐらい穿刺しても、そこからアプローチできるから気にしないで採血してくださいと言ってくださいますので安心です。そんな専門医になりたいです。

我々はどこからでも動脈血採血が出来るように腕を磨いておく必要がありますね!

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