2017年11月5日日曜日

換気とpHの関係

92歳の男性が両下肢の浮腫で来院されました。ルームエアーでのデータです。

pH 7.449
PCO2 28.3 mmHg
PO2 72.0 mmHg
HCO3 19.2 mmol/L
BE −3.3 mmol/L
Na 130.1 mEq/L
K 4.81 mEq/L
Cl 102 mEq/L
AG 13.7 mEq/L
乳酸 0.91 mmol/L

A-aDO2(=42)が上昇しています(計算法はこちら)し、過換気になっていますので、酸素投与がまず必要ですよね。PaO2が正常なのは、患者さんがたくさん呼吸をしており、PaCO2が下がっているからですから!

今日は、PaCO2の低下とpHの上昇は見合っているのか?について学びます。

PaCO2が1低下すると、pHは0.008上昇するとされています。つまりPaCO2が40を正常とすれば、10低下して30になれば、pHは7.4から0.08上昇して、7.48になるはずだと言うことです。

この患者さんでも約10程度PaCO2が低下していますが、pHは7.48にはほど遠く、むしろ7.449しかありません。と言うことは、この患者さんには代謝性アシドーシスがあると言うことです。

何故代謝性アシドーシスがあるかについては、今回は考えなくて良いです。この患者さんは「呼吸性アルカローシス+代謝性アシドーシス」があると言うことが分かれば、それで良いのです!

いつも少しずつ学ぶのが大切ですからね!

<今日のポイント>
PaCO2が1低下するとpHは0.008上昇する。

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