2017年11月23日木曜日

意識障害患者さん

 基礎的なお話は書ききった感じもあるので、これからは症例が増えていきます。

 40歳の男性です。意識障害で運ばれて来ました。意識レベルはJCSで三桁です。血圧や脈拍数は問題ありません。SpO2がルームエアーで85%だったので酸素を5リットル投与されて運ばれて来ました。

pH 7.353
PCO2 48.4 mmHg
PO2 149.1 mmHg
HCO3 26.3 moml/L

 まずみるのはPaO2でしたね。100mmHgを越えており、値としては問題ありませんね。酸素可能の評価は後で良いです。
 PCO2は少し高くなっていますね。正常値は35〜45 mmHgですので。緊急性はないでしょう。

 酸素化能障害がないかを判定します。酸素投与下ではA-aDO2は意味がないという説もありますが、一応計算します。酸素マスクで酸素を5L投与ですので、20+4×5=40で吸入酸素濃度は40%でした。

 A-aDO2=(760−47)×0.4−PaCO2/0.8−PaO2=713×0.4−48.4÷0.8ー149.1=75.6 mmHg

 年齢の半分以下という基準をとっても、酸素化能障害があることが分かります。酸素投与量を下げることはあっても、酸素投与はしばらく必要でしょうね。

 代謝の問題を判定します。例えばこちらの方法を参考にしてください。

(1)pHは7.4以下であり、アシドーシスです。正常値の7.35を切っていませんから、アシデミアとは言えないですね。
(2)PCO2が高いので、呼吸性アシドーシス+代償性変化としてのHCO3上昇と考えます。
(3)急性の呼吸性アシドーシスと考えると、PCO2は8.4 mmHg上昇していますので、HCO3は0.84 mmol/L上昇すると考えると、まあだいたい合います。と言うか異常があまり大きくないですから。

 他にも色々検討すべきなようですが、一度に全部勉強するのはこのサイトのポリシーに合いませんので(^^)。

 この人は、精神科で処方されている薬剤をたくさん飲んでしまい、薬物による意識障害がありました。呼吸抑制もそのせいなのでしょうかね。
 代謝に関してはよく分かりませんが、乳酸が2.06 mmol/Lでしたので、本当はもっとHCO3が高いのかも知れません。

 経過観察入院され、翌日元気に退院されました。

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