血液ガスデータは見る順番があります。例えば、以下のようなデータが出た場合、皆さんはどれを一番に見ますか?
pH 7.376
PCO2 28.0 mmHg
PO2 62.4 mmHg
HCO3 16.0 mmol/L
BE −7.4 mmol/L
乳酸 3.93 mmol/L
上から順番に決まってますか?それとも異常値のあるPaCO2やBEからでしょうか?あるいは乳酸値ですか?
救急はABCから始めましょうね!よって、血液ガスデータであれば、PaO2からです。なぜなら他のデータは、直接それだけで致死的にはならないからです。
よって、血液ガスデータをもらったら、まず見るのはPaO2です。しかし、患者さんのABCを見るのに血液ガスデータを待っていてはいけないので、すでにABCを確保しているし、SpO2があるから、血液ガスデータはどんな順番で見てももええやないかい!と言う意見も間違いではありませんが、是非PaO2から見るようにしましょう。
そして値をまず見れば良いです。難しいことは考えなくて良いです。60 mmHg以上あれば何とか大丈夫です。出来れば70 mmHg以上が良いと思います。もし60 mmHgを切っていれば(個人的には70 mmHgを切っていれば)まず酸素を投与します。どのぐらい酸素をやったら良いか分からなかったら、リザーバーマスクで10L/分以上流して良いと思います。COPD(慢性閉塞性呼吸器疾患)だったらどないすんねん!と思うのであれば、PaCO2をチェックしていただき、PaCO2が高くなければ大丈夫ですし、もしPaCO2が高くても、患者さんの呼吸が止まる可能性を考え、バックバルブマスク換気を準備すれば良いです。気管挿管が必要になる場合もあるでしょうが、取りあえず酸素を流すのが良いと思います。
この患者さんは、PaO2が62.4 mmHgと60 mmHg以上ありますが、私は酸素投与を開始しました。理由はPaO2が70 mmHg以下だということ以外にもあるのですが、その話は別に述べましたのでご覧ください。
酸素の値が低くないか?これをまず見れば良い。簡単ですね!
<今回の極論ポイント>
・血液ガスデータはまずPaO2から見ましょう。
・PaO2が70 mmHg以下の場合は、酸素投与を開始しましょう。
・どのぐらい酸素をやったら良いか分からなかったら、リザーバーマスクで10L/分投与しましょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿