血液ガス分析は、動脈血採血をして行うのが原則です。が、動脈血採血を頻繁に行うわけにも行かず、酸塩基平衡だけ見られれば良いという場合には、静脈血を採取して血液ガス分析を行っても良いです。
多少のデータの異常は出ますが、PaO2の値以外は、ほぼ動脈血と変わりがないと考えて良いようです。動脈血を取りたかったのに、静脈血を取ってしまったと言う場合も、折角採取したデータは患者さんの診療に活かしたいですね!
こちらの資料には以下のようにあります。
静脈血ガスは
pH・HCO3を推定するのに有用である。
PaCO2・PO2・乳酸値の推定に有用ではない。
ただし PaCO2と乳酸値が基準値内であることの確認に使える。これらが基準値外の場合は、動脈血ガス分析にて確認を推奨する。
血液ガス分析をしなくても、パルスオキシメーターで酸素飽和度が、カプノメーターで呼気二酸化炭素分圧が測れますので、そちらを考慮しても良いですね。
UpToDateの「Venous blood gases and other alternatives to arterial blood gases(静脈血ガスと動脈血液ガス分析の代替えとなり得る検査法)」という文献に補正の仕方が載っていました。
中心静脈 末梢静脈
pH 0.03〜0.05を足して評価 0.02〜0.04を足して評価
PaCO2 4〜5mmHgを引いて評価 3〜8mmHgを引いて評価
まあ、細かいことを気にしなければ、ほぼ同じだと考えて良いですね!
<今回の極論ポイント>
動脈血をとるつもりだったが、静脈血の血液ガス分析になってしまった場合、酸素以外はだいたい同じと考えて良い。
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