以前、吸入酸素濃度(FIO2)と動脈血酸素分圧(PaO2)はだいたい比例するというお話をしました。今回はもう少し科学的?な方法を紹介します。
目標とするPaO2を達成するために必要な吸入酸素濃度は以下の通りです。
目標とするFIO2=(目標とするPaO2−現在のPaO2)÷713+現在のFIO2
目標とするFIO2は高くても低くても良いです。良かったら使ってください。
ちなみに、この式は、以下のかなり無理な条件を満たした場合にのみ成り立ちます。
・酸素濃度が変化しても、A-aDO2が変化しない。
・動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)が変化しない。
まあ、厳密に計算する必要はありませんので、気にしなくて良いでしょう。
この式を導いてみます。
A-aDO2=(760−47)×現在のFIO2−PaCO2/0.8−現在のPaO2
A-aDO2=713×目標とするFIO2−PaCO2/0.8−目標とするPaO2
です。上の式と下の式の左辺は等しいという前提ですので、式を変形すれば、PaCO2/0.8は消えます。よって上記の式が求められるのです。
PaO2を70 mmHgぐらい挙げたいと思えば、FIO2を0.1(あるいは10%)上げれば良いと言うことですね。
<今日の極論ポイント>
吸入酸素濃度を10%上げると、動脈血酸素分圧が70 mmHg程度上がります。
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