2017年11月30日木曜日

FIO2をどのぐらい変化させたら良いのか?


 目標とするPaO2を達成するために必要な吸入酸素濃度は以下の通りです。

目標とするFIO2=(目標とするPaO2−現在のPaO2÷713+現在のFIO2


 目標とするFIO2は高くても低くても良いです。良かったら使ってください。

 ちなみに、この式は、以下のかなり無理な条件を満たした場合にのみ成り立ちます。

・酸素濃度が変化しても、A-aDO2が変化しない。
・動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)が変化しない。

 まあ、厳密に計算する必要はありませんので、気にしなくて良いでしょう。

 この式を導いてみます。

A-aDO2=(760−47)×現在のFIO2−PaCO2/0.8−現在のPaO2
A-aDO2=713×目標とするFIO2−PaCO2/0.8−目標とするPaO2

 です。上の式と下の式の左辺は等しいという前提ですので、式を変形すれば、PaCO2/0.8は消えます。よって上記の式が求められるのです。

 PaO2を70 mmHgぐらい挙げたいと思えば、FIO2を0.1(あるいは10%)上げれば良いと言うことですね。

<今日の極論ポイント>
 吸入酸素濃度を10%上げると、動脈血酸素分圧が70 mmHg程度上がります。

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