2017年11月20日月曜日

シリンジにヘパリンを入れすぎないようにしましょう

 血液ガスを検査する時に、注射器にヘパリンを入れすぎることは、現在の採血方法ではあまりないことですが、知っておくと良いと思うことです。

 UpToDateの「Arterial blood gases(動脈血液ガス分析)」と言う文献です。

 The heparin that is added to the syringe as an anticoagulant can decrease the pH if acidic heparin is used and the dismissal of heparin from the syringe is incomplete. It can also dilute the PaCO2, resulting in a falsely low value. When an ABG syringe is used, the amount of heparin solution used should be minimized and at least 2 ml of blood should be obtained.

 抗凝固薬として注射器に加えられるヘパリンはpHを低下させる可能性がある。酸性のヘパリンを用いたり、注射器からヘパリンを出す操作が不完全だったりすると発生しやすい。ヘパリンによって、PaCO2値も低下する可能性があるため、間違って低値を報告してしまうかも知れない。血液ガス専用のシリンジを用いた場合には、使われているヘパリンの量が必要最小限になっているが、最低でも2mlは注射器に採血するべきである。

 つまり、注射器に入れたヘパリンが多すぎると、採血された血液がヘパリンで薄まってしまい、pHやPaCO2が間違って低く報告されてしまう可能性があると言うことです。ヘパリンを入れすぎないように気をつけましょう。

ちなみに、、、、
 PaCO2は、何かで薄まれば濃度が低下します。
 pHはHCO3イオンとPCO2の濃度の比をlogで示した物(pH=k×log HCO3/PCO2)ですから、HCO3が低下してもPCO2も同じぐらい低下すればpHは変化しません。
 こちらのヘパリンの添付文書によれば、ヘパリンのpHは5.5−8だそうです。アルカリ性になることもあるのかも知れませんね。


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