2017年11月14日火曜日

血液ガスをとらなくても酸塩基平衡異常を疑えます。

 血液ガス分析は必要ないかなと思って、動脈血採血をしていなかった場合、採血結果が出て、血液ガスをとろう!と思うべき場合はどんな時か?と言うお話です。

 答えは、Na−Clが30以下か40以上の場合です。詳しくはこちらの論文をご覧ください。

 このブログでは細かいことを出来るだけ省くのがポリシーですので、とにかく、採血したら、ナトリウムとクロールの値から引き算をしてみてください。

 Na−CLが40以上だった場合、HCO3が増えていることが疑われます。つまり代謝性アルカローシスがある可能性が高いです。
 Na−CLが30以下だった場合、HCO3が低下していることが疑われます。高CL性代謝性アシドーシスが疑われます。下痢をしていないか確認してください。
 Na−CLが30〜40だった場合、酸塩基平衡異常がないかと言えば、そうではない(例えばアニオンギャップが上昇するアシドーシスがあるかも知れません)ので、疑いがあれば動脈血採血(場合によっては静脈血採血)を行いましょう。

 どちらにしても、血液ガス分析を是非しましょう。

<今回の極論ポイント>
 採血をしたら、Na−CLを計算しましょう。

2 件のコメント:

  1. NaとClの差でここまで考えることができるのですね.まずその計算をする癖を付けたいと思います.良い論文も紹介していただきありがとうございます.
    細かいことですけど,ミスプリ?Na-Clが30以下のところは高Cl性代謝性アシドーシスではないか,と思います.

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  2. ご指摘ありがとうございます。間違えてましたので訂正します。ありがとうございます。
    これからも色々ご指導よろしく御願いします!

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